私の名前は、陶子(すえこと呼びます)。一人っ子です。
私の実家は慶長6年創業の窯元で、私で12代目になります。
都会の大学に行って、オシャレして恋愛を経験し、OLになり、普通?の結婚を望んだけれども
窯元に生まれたとの理由で、高校卒業と同時に、お決まりの家業を継ぎ、修行の毎日です。
石を砕き、練る基礎作業に追われています。早く大好きな絵付けしたいな!
朝散歩が私の日課です。生活道路のあちこちに季節紋様の焼き物オブジェが有ります。
今は使われなくなった、登り窯で参っていると、
「おはよう、陶ちゃん、めっきり綺麗になったね。彼氏が出来たんね?」
と近所のおばちゃんが揶揄います。
「おばちゃん、何言うとるん、私はもともとべっぴんよ!」
「紫陽花もおばちゃんと一緒で過ぎてきたね!」